KYOTO 版画2001 日本・中国国際版画展
開催にあたって


ごあいさつ
 全国の版画作家と作品が一堂に集い、新人の公募作と共に並ぶ「社団法人日本版画協会」の展覧会は、全国組織を持つ日本唯一の版画団体展です。毎年春に東京都美術館で開かれる本展が2001年の今春には第69回展を開催し、来る2002年にはちょうど70年目の記念すべき展覧会を迎えようとしています。日本版画協会展の歴史はすなわちわが国の現代版画の歴史であり、その足跡は発展を続ける日本の版画の歩みそのものに他なりません。
 日本版画協会は都美術館での協会展終了後、毎年全国の各地、各美術館を廻る巡回展を企画し、その度に多くの版画愛好家、版画を志す人々を集め、これまで版画の普及と啓蒙に努力し、貢献してきました。ところが残念なことに、関西地方には協会展や巡回展が永い年月訪れることもなく、全国規模の現代版画展開催の機会にも久しく恵まれませんでした。
 このような状況を打開し、総合的な版画展を京都で開くべく、関西と関西以西の協会関係作家が相集い「版画京都展実行委員会」を結成したのは2000年の春でした。そして委員会は、全国の版画協会作家と西日本に在住する協会関係作家の作品を軸に、KYOTO 版画2001 日本・中国国際版画展開催にあたってごあいさつ35名の招待作家作品を加えた300点からなる版画展を企画、出品作家を含む多くの方々からの厚い支援を受けて第1回「KYOTO版画2000」展を昨秋開催し、会期中3700名を越える入場者、観賞者を得ました。
 今回第2回展となる「KYOTO 版画2001」展は、前回ご招待した関西地域の優れた版画作品に代わり、中国版画家協会(北京)の協力を得て、現代中国の新鋭とベテラン作家90人による90点の版画作品をご招待し、「日中国際版画展」として開催いたします。伝統と実力を誇り、また近年著しい躍進を遂げる中国現代版画の現況と日本の版画作品とを、同時に同じ会場でお楽しみいただければ幸いです。
 今年も昨年同様、本展のために各団体、企業、個人の方々から多大なご支援、ご協力をいただきました。さらに私たち委員会の活動を認知下さり各財団より過分な助成を頂戴し、また各機関よりあたたかいご後援をいただきました。作品協力をくださった中国版画家協会所属作家の皆様と共に、委員会より心からの感謝の意を表し、ここに深くお礼申し上げます。
版画京都展実行委員会代表
黒崎 彰


開催によせて

 昨年、関西在住の有力版画家たちが「版画京都展実行委員会」を組織し、企画、開催した新しいかたちの総合版画展は、その規模、内容において十分見ごたえのある展覧会であった。
 この展覧会は、日本版画協会所属の関西作家を軸に、無所属
の有力な作家たちを加えることによって、作品、作家の地域的な空白や欠落を補い、わが国の版画界の現況をバランス良く紹介し、版画芸術の持つ魅力を遺憾なく伝えることに成功していた。そして従来の恒常化した団体展やグループ展とはちがった、新鮮な現代版画の可能性をを感じさせてくれた。
 また、昨年の「KYOTO 版画2000」展の特徴として、新人作家たちを積極的に招待していたが、新人と有力作家とを同じ会場で競わせ、そのことによって次代を担う新人たちを刺激し、育成しようと考えた実行委員会の熱のこもった意欲的な展示は、画期的ですらあり、同時に関西で久しく目にしなかった版画界の次代の胎動がうかがえたことも大変喜ばしいことであった。
 ところで版画京都展実行委員会は、京都市美術館別館での今年の「KYOTO 版画2001」展に、90点からなる現代中国版画を招待し、「日中国際版画展」として第2回展を開催しようとしている。近年躍進著しい中国現代美術において、伝統と実力を誇る中国版画界の活動は想像に難くない。広い中国の諸地域から選抜された、精鋭作家の中国現代版画と日本の版画作品とを、同じ会場で目にできるのは我々にとって大きな楽しみでもある。
 この版画展は、今回のように様々な企画のもとに、ここ数年は続ける計画と聞き及んでいる。関西及び西日本の版画界のために結集した力を、これからも存分に発揮され、ぜひともわが国の版画界の活性化に寄与されることを期待し、希望している。
京都市美術館長
上平 貢


ごあいさつ

 このたび南海放送サンパーク美術館では、「日本・中国国際版画展」を開催致します。
 古く中国固有のものであった木刻は、日本に伝来し、その技を習得して今日に及んだものであります。近代に到り、相互に交流し、影響しあうことになりますが、その一つの例として魯迅(1881〜1926)の業績があります。留学後帰国した彼は、永瀬義郎の『版画を作る人へ』、旭正秀の『創作版画の作り方』などで版画を研究し、蕗谷紅児・ビアズレー等を中国に紹介し、中国に近代木刻運動を生み出していったものです。
 また、現代では版画家北岡文雄が満州にいて、逆に中国木版の力強さに魅せられ「祖国への旅」のシリーズを制作しているなど日本と中国の近代版画は、時代とともに交流しあっています。
 この展覧会では、現在活躍中の日本と中国版画作家の優れた現代版画を一同に展示し、版画を通じて国際的な美術交流を行うものであります。
 今回、関西在住の有力版画家たちが実行委員会を組織され、開催に至ったものでありますが、出品作品は中国の作家作品90点と日本の作家作品50点の大規模なものとなりました。
 なお、日本作家の作品は、日本版画協会展に出品中の、九州を除いて西日本を代表する作家のものです。
 当館では、日本版画協会巡回展を毎年開催しておりますが、この巡回展につづくものとして、この企画展をいたします。
 日本・中国の選ばれた作品は、版画芸術の持つ魅力を充分に伝え、版画の新鮮な動きと力をご覧いただけるものと存じます。
 今後とも、世界の他の国の素晴らしい版画作品を、ご案内したく思っております。
 今回の企画にご尽力下さいました版画京都展実行委員会の皆様に心から感謝いたします。

南海放送サンパーク美術館   
畦地梅太郎記念美術館 館長
門田圭三